日本では、おなかの上から行う超音波検査は、医師だけでなく、助産師、看護師、准看護師、臨床検査技師、診療放射線技師も行うことが許されています。そのため、助産師外来で超音波検査がなされたり、胎児形態異常スクリーニング検査を助産師さんや技師さんが行ったりする施設もあります。
しかし、“診断”を行うための胎児超音波検査は、高度な技術と胎児異常に関する豊富な知識が必要とされるため、医師の中でもごく限られた医師だけが行っています。「胎児の何々が診れる者」、すなわち胎児の特定の“一部分”が診れる者、あるいは特定の“一部分”だけを正しく計測できる者として認定者の資格を与えている団体などが国内外にありますが、妊娠初期から末期までの胎児の全身が診れて、さらに子宮や卵巣の異常の診断もできる産婦人科超音波のエキスパートであるということを認定しているのは、日本では公益社団法人日本超音波医学会だけです。この学会で認定された医師は、超音波専門医、さらにその上の超音波指導医(超音波専門医を育成・指導する上級医)と呼ばれています。 日本超音波医学会の超音波専門医の資格を取得するためには、超音波専門医研修施設などで通算3年間以上にわたり超音波医学研修を行なって、500例以上の超音波診療経験を積み、超音波医学に関する学会発表あるいは学術論文を5つ以上発表するなどの厳しい条件をクリアした後に、超音波指導医または専門医のチェックを受けた超音波診断報告書を提出し、年1回実施される筆記試験に合格する必要があります。そのため、超音波専門医、あるいはその上の超音波指導医の資格を持っている医師は、 高度な技術と胎児異常に関する豊富な知識を持っていると考えてよいでしょう。
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